日本代表特集⑧〜富樫勇樹〜千葉ジェッツ

富樫勇樹選手というと、田臥勇太選手に次ぐ日本を代表するPGであることは疑いの余地がないでしょう。バスケットに興味の無い私の父親でさえ知っているくらいなので、知名度においても田臥勇太選手に負けていないでしょう。笑

167センチという身長で日本人初の1億円プレイヤーという点でも、多くのバスケキッズたちに希望を与えたのではないでしょうか。

プレイスタイルを型取る学生時代

新潟県新発田市に生まれ、小学1年生でミニバスケットボールを始めています。新発田市立本丸中学校では監督としてチームを率いる父親のもと、3年時に全国大会で優勝したほか、2年時と3年時にはそれぞれ15歳以下、16歳以下の日本代表に選抜されるなど、身長がないことをものともしない活躍ぶりを繰り広げます。

3年生時の全中決勝は伝説的ですよね。田渡凌選手、伊藤達哉選手率いる京北中学校を相手に壮絶な戦いを繰り広げたことで知られています。当時はお金が無い中学生だったので、DVDを買えなかったんですが、もし今後出回ることがあれば是が非でも欲しいですね、、、笑

本丸中学卒業を控え、当時浜松・東三河フェニックスのヘッドコーチで、富樫の父親と交流があった中村和雄さんの勧めもありアメリカ留学を決意します。ケビン・デュラントやグレイビス・バスケスなどを輩出したモントロズ・クリスチャン高校に進学を果たしています。

この富樫選手の渡米は、多くの学生カテゴリーのプレイヤーへ刺激を与えたのではないでしょうか。同世代の田渡凌選手も高校卒業同時に渡米していますし、渡邊雄太選手や八村塁選手、安藤選手や津山選手、スラムダンク奨学金ができたのもこの頃です。富樫の渡米後という括りでみると非常に海外思考のプレイヤーが増えたように感じます。渡米の成功例として、今後も多くの選手の支えとなるのではないでしょうか。

富樫選手はなんと1年時からロスター入りし、主にシックスマンとして起用されました。モントロズ・クリスチャン高校は2010年の同校全米ランキング2位ランクインに貢献しています。

【ワールドカップ予選特集】【富樫勇樹の高校時代 モントロスクリスチャン高校】【秘蔵映像】

2011年には日本代表候補に選出され、同年8月のウィリアム・ジョーンズ・カップには若手選手を主体に構成された日本代表チームの一員としてチームに参加しています。

高校卒業後はアメリカの大学進学を目指し、NCAA1部の大学からも勧誘を受けたようですが、希望する学費全額免除の条件ではなかったことから進学を断念し、その他の選択肢を模索し始めます。

また2012年6月にはNBAなどが主催するイベントBasketball Without Bordersに参加し、アジア地域における同年代のトップ選手が集る中、「このキャンプにおいてナンバーワンのガード」と高く評価され、MVPを獲得しています。

点も取れるPG像を確立した秋田時代

日本に戻り、渡米前に後押しをしてくれた中村和雄ベッドコーチに声をかけられ、アーリーエントリー制度を利用し秋田ノーザンハピネッツに入団します。

富樫勇樹選手のプレイを確立したのは、この秋田時代の経験が大きかったのではと感じます。アメリカでのプレイはどちらかというとプレイメーカーとしての役割が強く、得点は求められませんでした。能力の高い選手は他にもたくさんいますからね。

帰国後直後はめちゃくちゃ上手いけど、点を獲りまくる中学時代とは印象がうって変わっていました。しかし、中村ヘッドコーチの絶大なる信頼のもと、富樫選手をチームの中心プレイヤーとして起用したことが功を奏し、かなり攻撃的にもプレイできるプレイヤーに成長した2年間だったのではないかと感じます。

実は進学、チーム選定にあたり、高校卒業後約10ヶ月ほど実戦から遠ざっていましたが、状態は万全ではなデビュー戦となった2013年2月の富山グラウジーズ戦では、なんと15得点11アシストのダブルダブルを達成を早くも達成しました。このシーズンのアシスト王である仙台89ERS・志村雄彦の6.25、そして2位の琉球ゴールデンキングス・並里成が記録した6.18に次ぐアシスト数は1試合平均6.07という高校卒業プレイヤーとしては驚異的な数字を残します。チームはプレイオフのセミファイナルで敗れましたが、富樫選手はbjリーグ新人賞を受賞しています。

2シーズン目の2013-14シーズンは、中村ヘッドコーチが「富樫のチーム」と明言し、全試合にほぼフル出場しています。レギュラーシーズンで富樫は1試合平均7.9アシストを挙げアシスト数1位のタイトルを獲得。ベストファイブにも選出されています。平均得点はなんと15.6点を記録し、チーム創設以来初となるファイナルズに進出に大きく貢献しました。琉球ゴールデンキングスとのファイナルでは、敗れはしたものの30得点5アシストと驚異的なスタッツを残しました。

この時既に、身長というハンディキャップをものともせず、何かやっくれるのではないかというスター選手独特のオーラを身につけていたような気がします。

NBAへの挑戦

bjリーグ2013-14シーズン終了後、富樫選手は秋田ノーザンハピネッツを離れNBAへ挑戦することを表明します。NBAへの登竜門となるサマーリーグ参戦を目指し、高校時代以来の渡米します。

ダラス・マーベリックスでのサマーキャンプを経て、日本人としては田臥勇太、川村卓也、竹内公輔に続きNBA史上4人目となるサマーリーグのロスター入りを果たすこととなります。昨年の馬場雄大選手なんかはまさに富樫選手と同じコースでしたね。笑

富樫選手はサマーリーグ5試合のうち4試合に出場し、3番手ポイントガードという位置づけでプレイタイムも限られていましたが、シャーロット・ホーネッツ戦では、およそ11分の出場時間で12得点をあげます。その日のトッププレイにも選出され、ファンやメディアからの注目を浴びる存在となりました。ボールを持つとファンからTOGAという愛称で慕われたことはよく聞く話ですよね。

その年の10月、マーベリックスが富樫を最終キャンプに招集し、そのままマーベリックスと選手契約を結びました。マーベリックス傘下のテキサス・レジェンズに確実に送り込むため策で後に解雇されていますが、いちバスケファンとしては、とうとう田臥勇太選手に続くNBAプレイヤー誕生なるかと非常に喜んだのを覚えています。

一つ理解できてなかったのは、その後、マーベリックスは他の選手を獲得したため富樫選手は予定を変更しドラフト会議にかけられ、一度はサンタクルーズ・ウォリアーズに指名されていたんですね。直後にテキサスレジェンズにトレードされています。

活躍が期待されましたが、オクラホマシティー・ブルー戦で足首を捻挫してしまい、シーズン途中から欠場しています。結局、25試合に出場し、1試合平均の出場時間が8分、平均得点2.0を記録するにとどまりました。NBA到達にはかないませんでしたが、167センチという身長ながら限りなくNBAに近づいたことは、多くのバスケプレイヤーを鼓舞したことは間違いないでしょう。

日本代表歴

高校在学中の2011年、サマーリーグ終了後の2014年、2015年にバスケットボール男子日本代表候補に選出されています。

2014年ウィリアム・ジョーンズカップ、アジア競技大会では日本代表として出場し銅メダルを獲得しています。

2015年の日本代表候補選出時には、国内にて行われたチェコ代表チームの強化試合3試合に出場したものの、怪我明けだったこともあり、リオデジャネイロオリンピック出場権を争う日本代表メンバーには選出されていません。

2017年から始まった2019年ワールドカップに向けてのアジア予選では、ほぼ全試合で日本代表に選出、起用されています。篠山選手とPGとしてチームを牽引し、見事悲願のワールドカップ出場を決定付けました。

しかし、富樫選手本人はシーズン中の怪我のため、本戦出場は断念する結果となりました。富樫選手が出場していればもしかしたら、ちょっと違う結果がもたらされていたかもしれないですね。

千葉ジェッツのフランチャイズプレイヤーへ

富樫はイタリア・セリエAのディナモ・バスケット・サッサリとプレシーズンの契約を結び、プレシーズンゲームに参加したものの、シーズン契約は結ばない結果となります。

日本国外のチームと契約交渉が行われていると報じられる中、9月28日に当時NBLの千葉ジェッツとの契約をします。鳴り物入りでNBLでも大活躍するかと思われましたが、1シーズン目は今ほどにプレイの機会を与えてもらえなかったんですね。今じゃ考えられませんが、平均得点5.2得点にとどまっています。後のインタビューで本人がめちゃくちゃ悔しかったと語っています。その悔しさがあっての今なんでしょうけどね。

Bリーグ元年の2016-17シーズンは13.2得点天皇杯では大きな活躍を見せチーム初優勝に貢献しました。天皇杯ベスト5にも選ばれています。自身でもBリーグオールスターゲームMVP、シーズンベスト5の活躍を見せています。

2017-18シーズンは第8節11月12日のアルバルク東京戦ではキャリアハイの42得点、またBリーグ史上最多の3P成功数11本(73.3%)を記録しています。もはや全盛期を終えてもシューターとしてやっていけそうですね、、、笑 このシーズンの富樫選手の3PFGパーセンテージは41.8%を記録しています。あれだけ執拗にマークされてこの数字ですから、相手チームからしたら驚異でしかないですよね、、、笑

2018-2019シーズン終了後には日本人初の1億円プレイヤー誕生と、バスケットボール界にとってはとても華やかな契約が発表されました。長年どことなく蔓延っていた日本のプロバスケットボールでは飯が食えない稼げないという常識を覆しました。これからプロバスケットボール選手を目指す人にとっては、とても夢と希望のあるニュースですよね。そして千葉ジェッツにとっては、最も広告宣伝効果のあるフランチャイズプレイヤーとして富樫選手を掲げ出したわけです。

契約が満了する来年はこれまたどうなるか興味深いところではあります。

2018-2019シーズンスタッツは14.0得点、5.5アシスト。途中で中断する結果となりましたが、2019-2020シーズンでは14.4得点、6.5アシストと、個人としては全盛期を迎えていると言えるのではないでしょうか。

東京オリンピックこそは

そもそも東京オリンピックが開催されない可能性があるというのが残念でなりませんが、、、も

し来年開催されるのであれば、是非とも出場し、世界の猛者たちを持ち前のスピードとアシストで翻弄していただきたいですね。世界の舞台では富樫選手に得点は多く求められませんが、もし高いFG %でシュートを射抜き2桁に近い得点ができれば、インサイド陣、特に八村塁選手へのマークが軽減されますし、世界の舞台での勝利の可能性がグッと広がるでしょう。

今度こそ怪我なく世界の舞台で躍進してくれることを願います!!

日本代表特集⑧〜富樫勇樹選手〜千葉ジェッツふなばし編でした!!

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