本ワールドカップで日本代表は、大きく現実を突きつけられました。
初戦の相手トルコはイリヤソバ、チェディオスマンなどのNBAプレイヤー含め、総合値で日本を大きく上回り圧倒しました。
続くチェコはNBAプレイヤーのサトランスキーを中心に終盤ゲームを支配し、日本の追撃を許しませんでした。
アメリカ戦は、、、みなさんよくご存知ですよね笑
八村だけで30得点することができれば、試合展開は変わったでしょうが、一言で言えば得点源のニックファジーカス含め徹底的に研究しつくされていたと言うほかありません。
決して悲観する結果ではない
本ワールドカップでは5連敗の結果となりましたが、世界の土俵で日本代表自らの現在地を示すことができた点では大きく進歩があります。
今まではそれさえ許されない立ち位置だった訳ですからね。
少なくともアジアのトップチームとして、中国などと肩を並べたと言う点では、誇っていいはずです。
このワールドカップの結果が、日本人が最も注目する来年の東京オリンピックではなかったのは幸いです。楽観的かもしれませんが、よく言えば現実を理解した上で、1年という世界との差を埋める猶予期間があり、東京オリンピックという大舞台で「成長」と「ドラマ」と「バスケットボールの面白さ」を日本国民に伝えるこの上ないチャンスです。
また、チームでの結果は確かに残念ですが、選手個々で言えば収穫があったと言えます。
馬場雄大の躍進と成長
馬場雄大は本ワールドカップのアメリカ戦において18得点と躍進を見せ、インパクトを残しました。
先日の会見では、ダラスマーベリックスの一員としてキャンプに招集されたことが発表されました。サマーリーグ時から声はかかっていた模様ですが、もしあの躍進が無く結果が伴っていなければ、話は無くなっていたかもしれません。
現実的なところで言うと、以前の富樫勇樹と同じく、下部のテキサスレジェンズでプレイすることが予想されます。
NBAを目指すハングリーなプレイヤーばかりのリーグですので、馬場選手の性格上間違いなく成長して帰って来てくれるでしょう。
馬場雄大の身長はバッシュ分を抜くと194センチくらいでしょうから、1番2番ポジションで主にプレイすることになるんですかね??
非常に開幕が楽しみですね。
渡邊雄太のキャプテンシー
最終戦の渡邊雄太の34得点は一定数のNBAコーチ陣、スカウト陣の目に届いたことでしょう。
それ以上に他のプレイヤー、一般視聴者には響くものがあったのではないでしょうか。いちファンとしては彼の活躍を見ながら泣きそうになりました。笑
周りを牽引していくという危機感、2way契約という立ち位置による危機感、様々な思いを彼の気迫溢れるプレイから感じました。
初めてキャプテンを務めた今回のワールドカップですが、キャプテンシーという点でも今後日本代表を牽引していくであろうプレイヤーとして大きく成長を見せた大会でした。
本契約を勝ち取ってくると意気込んで先日渡米した渡邊雄太ですが、最終戦について言えば、東京オリンピックに向けて現実的な目標に感じます。
シーズン中に本契約を勝ち取ることを期待しています。
ただ東京オリンピックには向けて一つ懸念があるとすれば、怪我のリスクです。代表合宿中も怪我をし、調整に苦しむなど、比較的怪我持ちな印象です。
ファンとしては祈るほかありませんが、どうにかケアをして、NBAのシーズンを過ごし、オリンピックではベストコンディションで挑んで欲しいところです。
東京オリンピック躍進のキーとは
東京オリンピック本戦では、本ワールドカップの結果を追う限り80、90点以上をチームとして得点できなければ勝利は難しいでしょう。
そのため八村、渡邊、馬場が成長してコンスタントに10〜20得点以上をマークすることは、勝利にあたって必須条件です。
プラスでコンスタントに欲しいのは、ニックの得点ってところですかね。
自明ですが、国内リーグのプレイヤーがどこまで成長を見せられるかがポイントになってくるでしょう。
ポイントガードとシューターに関しては、何か変化が欲しいところです。
富樫、篠山起用が現実的なところですが、やはりサイズ不足とフィジカル面でのウィークポイント感は否めません。
少なくともワールドカップを見る限り、ニックと富樫の同時起用はリスキーです。
富樫と篠山については、ここからの1年は特に、接触を避けないプレイスタイルを重ねていく必要があります。大好きなプレイヤーなので東京オリンピックでも活躍を見たいのが正直なところです、、、笑
テーブス海はアジア予選と大学のシーズンが被ることが予想されます。現実的には代表経験を積ませることができず、東京オリンピックに主力として起用するのは難しいのではないでしょうか。
ただ次のワールドカップ、オリンピック予選では主力として活躍しているでしょう。
新しい代替え案が想定できない以上、田中大貴、比江島慎をガードとしてBリーグ、代表でのプレイタイムを増やすのが現実的に考えられるセカンドプランだと思われます。
またシューターについて言うと、安藤は優秀なシューターですが、本ワールドカップでは結果を残すことができませんでした。
爆発力と経験と言う点で辻と比較するとまだ弱い印象を受けました。
次回のワールドカップのアジア予選が始まりますが、安藤に経験を積ませつつ、辻を起用し続けて欲しいところです。東京オリンピックで起用されるのはコンディション次第といったところでしょう。
NBAを経験したクラスのインサイドプレイヤーはBリーグにもいる訳ですから、リムへのアタック、スクリーンへの対応など、両プレイヤーにはより精度を意識して欲しいところです。
NBAクラスのプレイヤーに接触したのちに繊細なシュートを決められるかどうかにこそ、シューターとしての真価が問われます。
そして何よりも、東京オリンピックの躍進に向けて最も重要なキーとなるのは、多くの方が指摘している通り、Bリーグのボトムアップです。
どんなカテゴリーにも言えることですが、選手一人一人がハングリーに代表選手を喰うつもりでプレイする。これが必要不可欠でしょう。
グッドプレイヤーとして現状に満足していては世界との差は開く一方です。
本ワールドカップでは果たされませんでしたが、ラマスヘッドコーチの唱える欧州勢撃破は決して不可能な目標では無いと思います。
ワールドカップを経験したプレイヤーが露呈した課題をBリーグ、アジア予選でクリアにしていく姿を期待します!