こびりついた悪しき固定観念
日本のバスケットボールと言うと、サイズは無い、フィジカルは無い、リバウンドは無い。プロバスケットでは飯を食べていけない。世界では戦えない。
ポジティブなキーワードよりも、ネガティブなキーワードを聞くことが多いスポーツのイメージがあります。
サンデーモーニングにて張本勲氏が「バスケットは出尽くしてしまったスポーツ」とコメントし、当時学生バスケットに打ち込み、バスケットが大好きだった私は、非常に悔しい思いをしたのをはっきりと覚えています。
今考えてみれば、世間的にそう考えられるのも必然だったのかもしれません。
競技人口ナンバーワンのスポーツがつまらないわけがない
日本で観戦文化が浸透してこなかったのには、スター選手の不在、A代表の結果不足か要因としてあったことは否めません。
野球、サッカーの観戦文化が先行していたことも当然一因です。
私が生まれ、バスケットを始める以前には、スラムダンクブームや、田臥効果によるブームがあったと聞きます。
しかし、それを追随するように、新たな火付け役となる好材料が揃うことは無く、バスケットが大きく日の目を浴びることはありませんでした。
一方、日本と同じアジアの経済大国であり、人口13億人を誇るお隣中国はどうでしょう。
NBAの姚明(ヤオミン)ブームが功を奏し、バスケットボールがスポーツの中で一番の人気なんです。プロリーグもグローバル化に大きく成功し、NBAの選手も選択肢として選ぶ大きなスポーツマーケットへと成長しました。
また、バスケットボールは、男女ともにプレイすることから、競技人口がナンバーワンのスポーツと言われています。
多くの人に愛され選ばれるスポーツが、日本のテレビで見るスポーツとして、生観戦するスポーツとしてつまらない訳がないと言わせていただきたい。
サッカーアジア選手権と被るのはきっと何かの縁
バスケットボールのここ最近の出来事を振り返ると、Bリーグが開幕したところから始まり、①アジア予選4連敗の崖っぷちから連勝を重ねる。②オリンピックベスト4の経験もあるオーストラリア相手にアップセットを起こす。③渡邊雄太がNBAデビューを果たす。④八村塁がアメリカでNBA入りが有力視される。
これだけでも、長年大きな話題の無かったバスケッボール日本代表には十分な好材料です。
そして先日の2月21日のイラン戦にて、日本は格上相手にパーフェクトゲームを披露します。
翌日、最終戦を待たずしてワールドカップ出場を果たす可能性がありましたが、唯一のフジテレビの地上波放送の日にワールドカップ出場の決定が持ち越されます。
もし、最終戦前日にワールドカップ進出を決めていたならば、注目度、面白み共に少し物足りなかったでしょう。
また、Window6の対戦カードがイラン、カタールという、昨年のサッカーアジア選手権の組み合わせと被ったことが、少なからず他スポーツファンも耳にしてくれるチャンス、興味を持ってくれるチャンスが増えたのではと思います。
幸いにもサッカー日本代表、長友選手や槙野選手が、Twitterにて富樫勇樹選手のツイートを引用し、バスケット日本代表を応援するツイートをしてくれています。
ここまで好材料が揃い、最後の集大成を示すチャンスが本日の試合に託され、地上波で放送されるのは、きっと何かの縁なんじゃないかと感じています。
子供たちに夢を
メディアや、教育、大人からは、野球やサッカーよりも日本のバスケットは可能性が無いと、気づけば植え込まれて、成長し大人になりました。
そんなことは無い。ときっと選手たちは今日の試合で証明してくれます。
先日のイラン戦では、選手たちのプレイ1つ1つからそんな思いを感じ、涙が出そうでした。
試合開始時刻は、子供たちが試合を目にすることができるような時間ではありません。
しかし、プレイを後日目にする子供たちに夢を与える、そんな試合であって欲しいと思います。
最後にあるツイートを紹介させていただきます。
今バスケットに打ち込んでる人も、学生時代にバッシュとボールを置いてバスケットから離れた人も、一緒にルーズボールを追いかけてコートの5人に思いを託しましょう。
#男子バスケ日本一丸